本研究科の概要

特色

シミュレーション教育

模擬依頼者(SC)を活用したシミュレーション教育 ~理論と実務の架橋~

本ロースクールでは、市民ボランティアの方々を「模擬依頼者(SC=Simulated Client)」として活用した独創的なシミュレーション教育の方法を取り入れています。

これは、実務基礎科目(民事ローヤリングⅠ・Ⅱ・Ⅲ)の中で、仮想の事案を もとに、模擬の依頼者になっていただく市民ボランティアの方がたと、それぞれ模擬の法律事務所に所属する弁護士役の学生とのロールプレイなどを行い、学生が主体的に事例に取り組むことができる教育環境を実現するものです。そこでは、たとえば遺産相続についての依頼人としてのSCが、シナリオにしたがった相談を弁護士役の学生に持ちかけ、弁護士役学生の説明や方針に対して市民感覚に基づいた質問をしたり、気持ちの動きを表現したりします。

学生は、さまざまな法律相談をもとにして、必要な法文書を作成し、他の模擬法律事務所の弁護士学生との交渉や調停、訴訟などを通じて紛争の解決を試みていきます。2008年度以降、刑事模擬裁判や基礎演習など他の分野においても活用の場を広げています。

このSCの協力によるシミュレーション教育を通して、「事件」を単に法的に見るだけでな く、その背後にある人間関係や人生の重みを受け止め、紛争を真摯に解決できる心暖かい有能な法曹を養成していきたいと考えています。

このような教育方法は、文部科学省に2004年度から3年間採択された「形成支援プログラム」として取り組んできた本ロースクールのプロジェクト、「模擬法律事務所による独創的教育方法の展開~仮想事件を通しての理論・実務の総合的教育プログラムと教材開発~」の成果を具体化したものです。また、2007年度から2年間採択された「教育推進プログラム」の取り組みである「先進的シミュレーション教育手法の開発」においても実施しています。「模擬依頼者(SC)」は、「弁護士の卵を一緒に育てませんか?」という呼びかけに応じていただいた市民の方々で、2006年度から授業にも参加しつつ研修を重ね、2011年3月現在、約60名の方がたが活躍されています。